お手入れ

洋服との付き合い方
- 収納、保管方法編 -

徐々に気温が上がり、そろそろ冬物の洋服をしまう時期が差し迫ってきました。特にこれから梅雨などの雨の多い時期を迎え、オフシーズン中に長期間、洋服を保管するうえでの大敵はカビの原因となる湿気と虫食い。大切な洋服を誤った方法で保管をしてしまうと来シーズン着られなくなってしまうこともあります。そのため、大切な洋服をいつまでも美しい状態で着続ける秘訣のひとつは適切な収納と保管の仕方にあります。

そこで洋服との付き合い方 最終回では、これからの衣替えの時期に活用する収納、保管方法のちょっとしたヒントをご紹介いたします。

ヨゴレ、シミの種類

■湿気対策

洋服の入替えは、カラッと晴れ上がった日を選びましょう。10時~14時の湿気の少ない時間帯に行うのが最適です。

水を含んだ空気=湿気は乾いた空気よりも重いため、部屋の下部に溜まりやすい特徴があります。そのため一軒家の場合は2階に、マンションの1階や2階、または新築のマンションでも結露による湿気が多いため、大切な洋服はできるだけ高い場所に収納するのがベターです。湿気の多い場所に収納する場合は除湿剤などを活用し、湿気対策をしっかりと行いましょう。除湿剤に溜まった水分も溜まりすぎると逆効果になります。定期的に交換するようにしましょう。

洗濯表示タグ

■防虫対策

気温が15度を超えると害虫が活発化し、特に冬物の洋服に多用されるカシミヤやアンゴラ、モヘアといった繊維は虫が好む素材のため、細心の注意を払いましょう。

収納する前に、必ず自宅やクリーニング店でキレイな状態にしてから保管することを忘れずに。ヨゴレが残ったまま保管すると、ヨゴレが栄養となって害虫被害の原因になってしまいます。防虫剤は欠かかさぬようしっかり対策を。

市販されている防虫剤には、表の4種類の成分が含まれており、それぞれの特性があります。2種類以上の防虫剤を併用すると、ガス状にならなかったり、異常な高温になる場合があるので、それぞれの特性をよく知った上で使用するよう注意しましょう。

■保管する前のポイント

大切な洋服を長く着用するためには、正しい収納、保管方法を知ることが大事です。せっかく適切なケアを施しても、適当にクローゼットに押し込んでしまっては衣類が傷んでしまいます。

クリーニング店から戻ってきた洋服は、カビの原因になるビニールカバーを取り外して、風通しの良いところで30分ほど影干ししましょう。そうすることで、湿気と匂いを飛ばすことができます。防虫剤と共に通気性のある不織布タイプのカバーをかけ、密閉して保管しましょう。

長期的に保管する場合は折りたたんで収納するのは避けましょう。特にシワがつきやすいジャケットなどはハンガーにかけて保管するようにしましょう。

特に気をつけたいのがファーコートの収納法です。ファーは湿気に弱く、毛が抜ける原因になります。ファー全体を薄紙で覆い、ビニール袋で密閉して、防虫剤をたっぷり入れて収納しましょう。

型崩れやしわの原因になるため、洋服を詰め込みすぎないよう適度なゆとりをとって収納しましょう。

お手入れは数々のコツや手順、理屈を知れば、回数を重ねる毎に楽になり、楽しくなってきます。

また正しくお手入れ、保管をすれば洋服は長く、美しい状態のまま次のシーズンも着用することができます。また、いつでも気持ちよく着ることができるだけでなく、お手入れすることで、洋服によりいっそう愛着が増します。

お気に入りの洋服と上手に付き合って、よりファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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取材協力:株式会社レジュイール

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