お手入れ

洋服との付き合い方
- 汗のダメージから守る -

蒸し暑い毎日が続きます。この時季、オシャレを楽しむうえで一番気をつけないとならないのは汗。汗汚れはついた瞬間には目には見えませんが、そのままにしておくと、衣類のシミや退色の原因に。

そこで今回は、衣類を汗のダメージから守るための方法をご紹介します。

汗の成分は衣類の大敵。

■ 汗の成分は衣類の大敵

「今日は一日中涼しい屋内にいたから、汗はかいてない」と思って、衣類の汗対策を怠っていませんか。発汗作用は体温調節のために人の体に備わっているものなので、少しでも暑いと感じた時には、汗が体から蒸散しています。夏向きの麻やコットンなどの素材は、汗の蒸散性には優れていますが、蒸発させてくれるのはあくまでも水分だけ。汗に含まれる塩分やアンモニア、尿素、乳酸、皮脂などは衣類に残ってしまいます。これが頑固な黄ばみになったり、衣類を染めている染料と化学反応を起こして、色褪せの原因になります。

その日のうちに水洗いして、気持ち良く。

■ その日のうちに水洗いして、気持ち良く

このように汗は衣類にとって大敵です。すぐに水洗いをして取り除いておくのが理想。衣類表示を見て大丈夫であれば洗濯機で洗うこともできますが、デザイン性の高いお気に入りのTシャツやポロシャツなら、手洗いすることをおすすめします。高温だと縮みの心配があるので、水を使い、オシャレ着専用の中性洗剤を溶かした中で、軽く押し洗いしてください。特に汗シミの気になる部分は、指で軽くこすって落しておきます。衣類に「おつかれさま」と言いながら手洗いすれば、冷たい水の感触が心地よく、一日の疲れも汚れと一緒に落ちていくような気分になれます。

洗濯表示についてはこちら

旅行先などどうしても水洗いができない時や麻のジャケットなどは、熱めのお湯でしぼったタオルで汗をかいた部分を拭くか、市販の衣類用除菌スプレーをふきかけておくだけでも、応急処置になります。

型くずれしないように平干し。

■ 型くずれしないように平干し

手洗いした後の衣類は、衣類表示を確認して軽く脱水機にかけるか、バスタオルでくるんで水気をしぼってから干しましょう。干す時には、型くずれを防ぐために、「平干し」と呼ばれる方法で干します。専用の干し台がない時には、洗濯用のかごなどを逆さにし、その上に、衣類を広げるようにすることで代用できます。
万一、汗シミが取り切れていない時に紫外線にあててしまうと、酸化がすすんでシミがさらに濃くなってしまうので、干す場所は室内か日陰を選んでください。夜にお洗濯をしたら、そのままベランダに干しておいて、朝、日差しが強くなる前に室内に取り込むのも良いですね。ただし夜中のゲリラ豪雨にはご注意を!

シーズン最後にはクリーニングに出しましょう。

シーズン最後にはクリーニングに出しましょう

こうしてシーズン中に何度か水洗いをしていても、どうしても汗汚れがとりきれていない場合があります。シーズンの最後にはクリーニングに出すことをおすすめします。ただし汗の汚れはドライクリーニングでは落ちないので、必ず水洗いでの「汗抜きの処理」をお願いしましょう。「ダブルクリーニング」といって、「水洗い」のあとに「ドライクリーニング」をして、汗の汚れや埃などを完全に落しておけば、保管している間にシミや黄ばみになる心配もありません。

全般的にオシャレ度の高い衣類は、たとえTシャツやポロシャツ、麻のジャケットなどカジュアルなものであっても繊細で退色しやすい染料を使っているケースが多く見られます。汗の汚れが溜まってから落そうとすると、せっかくの色合いや風合いが台無しになってしまうことも。今回のTipsをヒントに、こまめにお手入れをして、来年も気持ち良く袖が通せるようにしてください。

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取材協力:株式会社レジュイール

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