革製品のお手入れ 革の種類に合わせたケア

革製品のお手入れ
- 革の種類に合わせたケア -

秋が深まってくると袖を通したくなる革のアウター。オシャレをパワーアップしてくれるアイテムですが、素材としてはデリケート。しかも、他の素材のように気軽に洗濯ができません。「皮革製品は買った直後からのお手入れが大事」と言われるとおり、着用年数を左右するのは、日々のひと手間です。

そこで今回は、革製品を大事に着続けるためのお手入れ方法をご紹介します。

すべてを総称して「レザー」

■ 革の種類とその呼び名。正しく使い分けていますか?

日本語では「皮革」という総称が使われますが、そもそも「皮=skin」とはなめす前の「原皮」のこと。「革=Leather」となって初めて、衣料用に加工されたものを指します。

また大きく分けて革には表面がなめらかなスムースレザーと起毛加工を施したものがあります。起毛加工の代表ともいえる「スエード」は、主に子牛やヤギなどの革の裏側を、やすりやサンドペーパーで細かく起毛加工したもの。“suede”という名はスウェーデン発祥の加工技術であることが由来だそう。間違えやすいのが「バックスキン(buckskin)」という言葉。本来は「buck=鹿の革」という意味ですが、日本では「back=裏」と勘違いされて、スエードと同じような意味で使われるようになってしまいました。

革の種類によってもお手入れ方法が変わってくるので、どちらの意味で使われているのかも、しっかり確認してみましょう。

スムースレザーのお手入れ方法

■ スムースレザーのお手入れ方法

表面がなめらかなスムースレザーには、革本来の風合いをそのまま活かした「銀付き革」と、表面に顔料による塗装を施した「ガラスレザー」の2種類があります。「銀付き革」は傷がつきやすい反面、エイジングと呼ばれる経年変化が楽しめます。「ガラスレザー」は表面に塗装加工をしているので、傷がつきにくく、お手入れも比較的簡単です。

どちらの加工も、着用した後に1)2)3)を行なってお手入れしましょう。これからの季節は乾燥がすすみ、表面にツヤがなくなり、乾燥してきたと思ったら、専用の保護クリームを薄く塗っておきましょう。

ブラッシング方法

■ スエードなど起毛した革のお手入れ ①ブラッシング

起毛した革のお手入れで欠かせないのがブラッシング。このひと手間を惜しむかどうかで、着用年数も大きく変わってきます。
ブラシはナイロンのものでも使えますが、静電気が起きない天然毛のブラシがおすすめ。最近はスエード専用の「生ゴムブラシ」というものもあり、これは袖口や襟汚れなどを落す時に便利です。

アウター、ボトムス合わせて数枚の起毛革をお持ちの方は、濃い色用と薄い色用のブラシを使い分けておいた方が安心です。

汚れ落し

■ スエードなど起毛した革のお手入れ ②汚れ落し

ブラッシングの最中に汚れを見つけたら、すぐにその汚れが、まだ起毛の上に乗っているのか、中までしみ込んでいるのかを確認しましょう。汚れがまだ毛の表面にある場合は、1)の方法で。もしも汚れが毛の中に入り込んでいる場合は、中性洗剤を薄めた液に綿棒をひたし、そっと叩くようにして汚れを吸着させます。万一、汚れがしみ込んでしまった場合は2)の方法で落します。

それでも落ちない場合は、スェード(ヌバック)用クリーナーを使うか、クリーニング店に相談してください。

洗剤、クレンジング、クリーナーを使用する場合は、必ず目立たない部分で試し拭きをしてください。

究極の天然素材である革は、自身のスキンケアやヘアケアをするのと同じような気持ちでいたわり続けてあげれば、着るほどに愛着も増し、長く着用することができます。今年はライダーズジャケットなどの革アウターがトレンド。自分の体と一体となるほどにしっくりなじんだ革のウェアでオシャレをランクアップしてみてはいかがでしょうか。

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取材協力:株式会社レジュイール

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