ウールのお手入れ

ウールのお手入れ

頬にあたる風が冷たく感じられたら、ファッションはウールの季節。本格的な寒さが到来する前のこの時季は、繊細でスタイリッシュなウールの装いをファッション重視で楽しめる貴重な時でもあります。

そこで今回は、ウールのトップスやコートなどをキレイに着続けるためのコツをご紹介します。

ウールは髪の毛と同じキューティクルがある

■ ウールは髪の毛と同じキューティクルがある

ウールとは羊の毛のことで、その毛の1本1本は、人間の髪と同じように、タンパク質であるアミノ酸とケラチンでできています。顕微鏡でウールの表面を見てみると、髪の毛のキューティクルと同じような鱗状になっていて、ここに沢山の空気を含むため、ウールは保温性に優れているのです。そのため、ウールのお手入れをする時には、キューティクルを傷めないことが大事。

たとえば、アルカリ性の洗剤は汚れを落す力に優れていますが、髪の毛をアルカリ性の石けんで洗うとゴワゴワになってしまいます。これと同じで、ウールもアルカリ性の洗剤で洗うと、キューティクルが毛羽立ったり、硬くなってしまう心配があります。自宅で洗う時には、必ず中性の専用洗剤を使うようにしましょう。万一、切らしている時は、弱酸性のシャンプーで代用できますが、泡立ちが良過ぎる分、時間をかけて良くすすぎましょう。

ウールの大敵は静電気

■ ウールの大敵は静電気

これからの季節は、一年中でもっとも空気が乾燥しているため、静電気が起きやすくなっています。この静電気はウールの大敵。目には見えなくても埃などの細かな汚れが静電気によってウールに吸い寄せられているからです。

そこで、ウールのセーターやコートなどは、帰って来たらすぐにブラッシングをして目には見えない埃も落してあげましょう。この時、馬毛や豚毛など、静電気を起こしにくい獣毛の洋服ブラシを選ぶのがコツ。ナイロンなどの化学製品の多くは、静電気を起こしやすく、せっかくブラッシングをしても、かえって埃を寄せつけたり、糸がからんで、表面のキューティクルを傷める原因になります。

毛玉をできるだけ作らないために

■ 毛玉をできるだけ作らないために

「お気に入りのウール製品ほど、不思議と毛玉ができやすい」と思うことはありませんか? 実はそれには2つのトリックがあります。1つは「お気に入りだから、どうしても回数を多く着てしまう」。そしてもう一つは「着心地の良い風合いの柔らかいものほど、毛玉ができやすい」ということです。

残念ながら毛玉を防ぐことはできず、私たちにできるのは、なるべくできないようにすること。そのためには、どんなにお気に入りのセーターやコートでも毎日続けて着ないようにすることが大事。コートなどでは、ショルダーバッグなどが当たって擦れる部分に毛玉ができやすくなることもあるので、必ず金具が付いている面を外側にするなど注意が必要です。また毛玉がついてしまった場合は、ムリにむしり取ったりせずに、ハサミでひとつ一つ丁寧に取り除きましょう。

ウール(羊毛)以外の動物繊維

■ ウール(羊毛)以外の動物繊維

手触りや発色の良さなどで、今やセーターやカーディガン、コートなど、冬のオシャレ着には欠かせないカシミヤ。これはカシミヤ山羊を原料にしているため、厳密にはウール(羊毛)ではありません。

その他にも、さまざまな動物繊維が出回っていて、種類ごとに異なる風合いが楽しめます。基本のお手入れ方法はウールと同じですが、稀少なものほど、繊維が細くデリケートなため、より繊細はお手入れが必要になります。

秋から春の初めまでお世話になるウールの衣類。風合いを長く保つには、同じアイテムをヘビーローテーションで着続けるのではなく、年内はシックな色を中心に、年が明けたら明るい色を中心になどと、上手に着分けることも大切です。

約半年にわたって続くウールの季節を、お気に入りのウェアとともに楽しくお過ごしください。

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取材協力:株式会社レジュイール

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