クリスマスシーズンにぴったりなファーの装いも、時代とともに新たなトレンドが生まれています。
そこで今回は、新しい時代の主流となっているエコファーについて、その背景からお手入れ方法までをご紹介します。
毛皮といえば、かつてはゴージャスなオシャレの代名詞。ノースリーブのドレスの上に、つややかな毛並みのコートをふわりとはおった姿はその象徴でした。でも、今や時代は自然をできるだけ大切にするエコの時代。化学繊維でつくったファーを身につけている方がオシャレだと見なされるようになり、ファッショニスタもこぞって取り入れています。こうした価値観の変化に合わせるように、ファッションメーカーの技術も向上し、もはやフェイク(偽物)ではなく、環境を考えた「エコファー」として、毛皮ファッションの主流になってきています。
エコファーの多くは、化学繊維で作られています。そのためカビや虫の心配がなく、お手入れもリアルファーに比べると難しくありません。とはいえ、取り扱いを間違えるとせっかくの風合いを損ねてしまいます。
エコファーも、毛皮と同じでお手入れの基本は着用後のブラッシング。静電気が起きやすい化学繊維で出来ているので、ブラシは静電気の起きにくい木製のものが適しています。
毛の根元から毛先に向かって、空気を入れ込むようにして梳かしていきます。
毛並みのふんわり感がなくなってきたら、ドライヤーの熱風を少し離れたところから、毛並みを立ち上げるように吹き付けておきます。
雨などで塗れてしまった場合は、タオルで包むようにして水分を拭き取った後に、ドライヤーの熱風で乾かしておくと、毛並みがきれいに揃います。
含んでいる空気の量が少なくなると、ぺったんこになるので、収納する際は必ず一番上に置くなど、ふんわり感が無くならないよう注意しましょう。
エコファーが汚れてきたら、必ず表示を確認し、ドライマークがついていたらクリーニング店に出しましょう。
手洗い表示があるものは、オシャレ着洗い用の洗剤を使って、押し洗いします。
洗濯後は、タオルでくるんで大まかに水気を切り、風通しの良いところで平干しにします。乾いたら、日常のお手入れと同じようにドライヤーの熱風で仕上げ、軽くブラッシングして整えます。
2016年12月から日本の洗濯表示も国際規格に統一されました。詳しくは消費者庁のホームページをご覧ください。
動物愛護も気になるけれど、本物の毛皮のオシャレも楽しみたい、という方におすすめなのが、食用とされる羊の皮革を使ったムートンファー。もともと廃棄処分されるものなのでエコにもつながります。
こうしたリアルエコファーのお手入れ方法は、普通の毛皮に準じます。着用したら、必ずブラッシングをしてホコリを落し、型くずれがしないように、厚みのあるハンガーにかけて保管します。
毎日のお手入れをきちんとしていても、3年に1回くらいはクリーニングに出すようにしましょう。着用前に防水スプレーをかけておくのも効果的です。
2017年は、世界のファッションの潮流がエコファーへと変わる節目の年。ファッショナブルで高品質なエコファーのラインアップも充実しています。冬の装いの幅を広げるアイテムとして、ぜひ取り入れてみてください。