革靴のお手入れ

革靴のお手入れ

高級ホテルのホテルマンはお客様の足元を見て、その客質を判断するという話はあまりにも有名ですが、「足下を見られる」という言葉があるように、履物はオシャレのセンスや心意気などがもっとも現れる場所。まだまだ寒さの続くこれからは、コートの下からのぞく革靴がよりいっそう注目される時季でもあります。

そこで今回は、一目置かれるための、革靴のお手入れ方をご紹介します。

お手入れ前に知っておきたい靴部位の名称

靴部位の名称

これだけ揃えればカンペキ!達人のお道具

達人のお道具
  • 汚れ落とし用の布
  • ポリッシュ用のコットンの布
  • 埃を落とすための馬毛ブラシ
  • クリームをなじませるための豚毛ブラシ
  • 汚れや古いワックスを落とすための靴クリーナー
  • 栄養分を与えるための乳化性クリーナー
  • ポリッシュ用のワックス

カーフの革靴のお手入れ

革の中で靴にもっとも多く使用されるのが、生後6か月以内の子牛の皮をなめしたカーフで、牛革の中でも最高級とされています。カーフの靴の毎日のお手入れの基本は、とにかく磨き上げること。それもただ光らせるだけではく、革に栄養を与えながらお手入れすることが大事です。

■ まずは汚れを落としましょう

馬毛ブラシで軽くブラッシングして、靴全体に着いた埃を落とします。
次に、靴クリーナーで古いワックスを取り除きます。

■ 次に栄養を与えましょう

1)ブラシに乳化性のクリームを取り、靴全体に入念に擦り込んで栄養を補給します。クリームは取り過ぎず少量ずつ足していくのがコツ。
2)クリームがまんべんなくいきわたったら、硬めの豚毛ブラシで力を入れて磨きます。
3)コットンの布でから拭きしてツヤを出します。

普段のケアはここまででもOKです。

ツヤがなくなってきたらワックスで磨きましょう

1)コットンの布を指に巻き付け、ほんの少し水で湿らせます。
2)湿らせたクロスの上に、ワックスを少量つけます。
3)靴全体にまんべんなく擦り込んだ後に、円を描くように磨き込みます。ワックスの色は靴の色と同じものがおすすめです。
4)軽くから拭きして、靴全体を輝かせます。

細かな部分もきれいに

トウのまわりや、ウェルトとのすき間など細かい部分には、指でワックスを塗り付けると体温が伝わって馴染みやすくなります。その後、クロスで磨きあげるとキレイに仕上がります。

穴飾りのある靴を磨くコツ

穴飾り(メダリオン)にクリームやワックスが詰まってしまった時は、硬めの豚毛ブラシを寝かせるようにして磨くと取ることができます。
穴部分にクリームやワックスを付けるときは直接つけずに、指でなじませるようにして、穴のまわりから付けていくのがコツ。

カーフ以外の革のお手入れ

コードバン

食肉用の馬の尻の内側にある厚さ2mm程の「コードバン層」から採取した希少な革。
水分を吸うとシワになりやすいので、ワックスを付ける前の水は極力少量にして、手早く一気に磨き上げます。

パテントレザー

革の表面にエナメルを塗って光沢や耐久性をもたせたエナメル革のこと。
表面加工がしてあるので、ケアの中心は樹脂面をどう守るかに尽きます。帰宅したら、柔らかい布等でやさしくホコリを落とし、汚れがついたらエナメルに使用できるクリーナーでお手入れします。

ブーツのお手入れ

ブーツのお手入れ方法もレザー(表革)の場合は、基本的にはカーフの靴と同じです。
スエードのブーツの場合は、着用後は馬毛ブラシで軽くブラッシングし、目立つ汚れはスエード用のクリームで拭きとりましょう。

ブーツで気になるのがニオイ。履いた後は専用の消臭スプレーか衣類用の除菌スプレーを内側に吹きつけて、風通しの良いところに1日以上置いて乾かしておきましょう。

お手入れの後はシューキーパー

革靴の寿命を左右するのがシューキーパーです。履きジワをしっかりと伸ばし、型くずれを防いで、湿気の吸い取りにもなります。おすすめは木製で、靴全体にバランス良く圧がかかる2本バネのもの。またヒール部分が角張っていなくて、ちゃんと面取がされていると着脱の際に靴を傷付ける心配もありません。素材は耐久性が良く経年劣化しにくいために高級家具にも使われるブナ材が良いとされています。

※ブーツ用のシューキーパーには、除湿機能や防臭機能も備えているものも便利です。

上質な靴は身につける人の風格を高めてくれます。お気に入りの革靴を買ったら、「毎日の汚れ落とし+磨き+シューキーパー」をキーワードにお手入れを続けてください。しっかりとお手入れをして上質な靴を長く履き続けることも、あなたの魅力を高めてくれます。

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